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~ウメボシ珍道中~
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専門卒の私に大学設定はちょっと厳しかったり…
とりあえず友達の話を参考に頑張ってみる。










室内は空調が効いている。
外との温度差はだいたい10℃ほど…
普通はどうか分からないが田舎育ちのオレにとっては寒いぐらいだ。

「うぅ…頭いてぇ」
「クーラー病も大変ね」

図書資料室の机でうつ伏せになっていたオレの後ろからハスキーな女の声がした。

「ん?なんだ月ヶ瀬か…」

月ヶ瀬みさお。18歳。胸まである長い髪を結い上げ、ラインの分かるスレンダーな服装をした身長170cmの男勝りな女。オレとは中学校からの馴染みでなぜか男より女によくモテる。

「奏は中に居るより外に居た方が体にいいんじゃないの?」
「ん~いま外は灼熱の大地なんだよ…まだこっちの方が生存確率は高い」
「奏を室内に追いやるなんて…いよいよ地球も危ないってことか」
「オレを物差しにしないでくれるか」
「奏の自然体が一番目安にしやすいのよ。それよりももう講義始まってるんじゃないの?」
「……そう…なんだけど」

怠さと頭痛で体が動かない。
うなだれたまま左腕の時計を見ると10分も講義時間をオーバーしている。
「このままサボろうか」「いやサボるのはオレの流儀じゃない」
そんな問答を頭の中で散々行っているがハッキリ言って時間の無駄だ。


「行くか…」

重い体を起こす。

ガタン…

オレが立つと入れ替わるように月ヶ瀬がイスに座り持っていた本を広げた。
オレは軽く左手を挙げ席を離れようとしたが何故か月ヶ瀬の持っていた本が気になった。

「オルゴール?」
「え?うん…伝統的芸術をテーマにした論文を書かなきゃいけないから」
「へぇ…でも珍しいなお前が乙女チックな題材を選ぶなんて」
「うるさい。私が何を選ぼうと奏には関係ないでしょ!」
「そうだけど…」

と言いながらもオレはその本に何故か惹かれた。

『宝石箱や観賞用として造られたオルゴールの歴史は18世紀末のナポレオン時代から始まりその形状は職人によって様々な…』

「講義に行かなくていいの?」
「ん、そう…だな」
「…?」
「あのさ…論文終わってからでいいからその本貸してくれないか?」
「え、…でもこれ図書の本だし明日返却だから」
「…そっかなら借り直すしかないか。ごめん邪魔して…じゃあな」
「ん、また」

オレは小走りにその場を後にする。

「(あ、そういや野崎にファイル返してもらってない)」

どうしよう…







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☆プロフィール☆
HN:
梅星 悠(ウメボシ ハルカ)
年齢:
42
性別:
非公開
誕生日:
1981/06/26
職業:
絵を描くこと
趣味:
空を見ること
自己紹介:
ウメボシは旅から3時間で連れ戻されただいま原稿中。
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