~ウメボシ珍道中~
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なかなか進むようで進まない物語。
琳堂ようやく登場。
…
…
琳堂ようやく登場。
…
…
…
講義室まで走って5分…すでに20分も遅刻している。
いっそこのままサボってしまいたいが今日はあの琳堂講師の授業…
サボると何を奢らされるか分かったもんじゃない。
―――― 学生は金欠だから痛いんだ。
ガラッ
「(えっと…野崎、野崎…)」
だだっ広い講義室を見渡しながら野崎を探す。
みんな金欠なのか出席者は多い…
「(あの野郎どこに…)」
「あ!奏ぇ~!!!こっちこっち~」
視覚より聴覚が先に野崎を捉えた。
声の方へ振り向くと野崎は随分遠い…
「(あんな大声で恥ずかしい奴…)」
軽く肩をすぼめながら早足で移動し、空いていた野崎の隣りへ静かに座った。
「ファイル」
オレが手を出し催促する。
「あ!あ~ありがとう!助かったよ!」
差し出した手にファイルが戻り少しホッとする。
早速広げて講義を…
と思ったら開いた瞬間勢いで何かが飛び出した。
「ぎゃぁっ!!」
パタパタパタ…
「そこーうるさいぞ!」
「あ、すみませ…」
講師に注意を受け小さくなりながら野崎に視線を移す。
「なんだこの蝶々は」
「上手くできているだろ?お礼に何かしようと思ってさっき作ったんだ!」
「いらなねーよこんなの」
呆れながら上でまだ飛んでる蝶々を見る。
「奏なら喜んでくれると思ったんだけどなぁ」
「……わー蝶々だ蝶々だー」
激しく棒読みで喜ぶとパタパタと飛び回る蝶々を眺め静かに降りてきたところをハエでも叩き落とすかのように机の上で勢いよく潰した。野崎が若干ショックを受けていたがそれは気にせずとにかく講義を聞く姿勢をとった。
「―――――???」
講師の話を聞き始めてわずか1分。
『ここで、M = [mass], L = [length], T = [time], ... と置いて、物理量 q の次元式は MmLlTt…である。これは一つの物理量に対して一つの次元が与えられ…』
全く分からない(白目)
ただでさえ訳の分からない講義なのに…今日に限って定数?
「うわーうわー…サボるんじゃなかったぁー…」
頭を抱え大きく項垂れるオレを覗き込みニコニコする野崎。
「…?」
「オレのノートで良ければ貸すよ?」
「!!?」
それが例え野崎であろうと言われて嬉しくない奴はいない。
「うおぉ~ありがとう」目を輝かせてノートを受け取りパラッ
ひっ!?読めない;
「おまっ…これ何語??」
「日本語に決まってんじゃん!」
まるで象形文字…
不可能だ。
まず解読しなければ理解はおろか写す事すら…
「き、気持ちだけ貰っておくよ」
「遠慮すんなって」
「ぃゃ、でも文字を解読するのにそもそも時間が…」
「文字?奏、日本語が苦手なのか?」
「日本語っていうか…?」
「まぁ無いよりはマシだろ?気にせず借りとけ借りとけ!今日のファイルのお礼でもあるしさ」
「(いや、でも無いのと差ほど変わらな…)」
と言おうとしたけど…やめた。
ここは大人しく借りて…
「あ」
バシィ!!!ゴンッ☆
野崎の「あ」と同時にどつかれた衝撃でデコを机にぶつけ軽く脳しんとう。
リーンゴーン…リーンゴーン…
「お前はオレ様の授業を何だと思ってるんだ?」
「り、琳堂先生…」
霞む視界に琳堂先生の着ている白衣とそれで叩いたであろうファイルが見えてくる。
さらに顔をあげると目の前にいきなり琳堂の顔。
「うわ!」ガタン!
思いっきり仰け反ったのに動かないイスと机のせいであまり距離がとれない。
琳堂はそれをいいことに顔を寄せる。
「ひぃい!」
「遅刻した罰としてオレ様の実験に付き合ってもらうからな」
「え?」
―――――実験??
考え得る「実験」のイメージを今までの記憶から必死に探してみるがどれも恐ろしく危険なものしか浮かばない。
「な、なぁ実験って…まさか変な薬を混ぜたり薬品が爆発したりするあれか?」
「いや、そんなのじゃない。ちょっとしたテストをしてみるだけだよ」
「そ、そうか…」
「でも場合によっちゃ爆発するかもしれないけどv」
ぇ、何!今バクハツとかっ!!
「ちょっ…その冗談笑えない!」
「笑うな。実験はいつも真剣勝負なんだ!覚悟して取り組めよ」
「……覚悟」
「そういや野崎」
「ん?」
急にオレから野崎に話しを振ったのは琳堂先生。
「お前また記憶が欠落したらしいな」
「あ~うん」
「お前記憶がなくなる直前に何か見たり聴いたりしなかったのか?」
「別に何もないよ?」
「そうか…ならいいけど。もし何か思い出したり気になることが出てきたら教えてくれな」
「うん、分かった」
二人のやり取りを何となく聞きながらオレは何とかキャンセルしようと話しが途切れるのを待ってから琳堂に切り出した。
「あ、あのオレ今日用事あるから実験は…」
「じゃあ放課後、実験室でな」
アッサリ流されたー…。
リーンゴーン…
「よーし!あと2時間頑張って講義すっか~」
琳堂が伸びをしながら鏡台に向かう。
「良かったね!奢りにならなくて☆」
脳天気な野崎の励ましにわずかだか殺意が芽生えた。
ちっとも良くねぇよ…
あの琳堂の事だからロクな実験じゃないに決まってる。
………帰りたい。
…
…
講義室まで走って5分…すでに20分も遅刻している。
いっそこのままサボってしまいたいが今日はあの琳堂講師の授業…
サボると何を奢らされるか分かったもんじゃない。
―――― 学生は金欠だから痛いんだ。
ガラッ
「(えっと…野崎、野崎…)」
だだっ広い講義室を見渡しながら野崎を探す。
みんな金欠なのか出席者は多い…
「(あの野郎どこに…)」
「あ!奏ぇ~!!!こっちこっち~」
視覚より聴覚が先に野崎を捉えた。
声の方へ振り向くと野崎は随分遠い…
「(あんな大声で恥ずかしい奴…)」
軽く肩をすぼめながら早足で移動し、空いていた野崎の隣りへ静かに座った。
「ファイル」
オレが手を出し催促する。
「あ!あ~ありがとう!助かったよ!」
差し出した手にファイルが戻り少しホッとする。
早速広げて講義を…
と思ったら開いた瞬間勢いで何かが飛び出した。
「ぎゃぁっ!!」
パタパタパタ…
「そこーうるさいぞ!」
「あ、すみませ…」
講師に注意を受け小さくなりながら野崎に視線を移す。
「なんだこの蝶々は」
「上手くできているだろ?お礼に何かしようと思ってさっき作ったんだ!」
「いらなねーよこんなの」
呆れながら上でまだ飛んでる蝶々を見る。
「奏なら喜んでくれると思ったんだけどなぁ」
「……わー蝶々だ蝶々だー」
激しく棒読みで喜ぶとパタパタと飛び回る蝶々を眺め静かに降りてきたところをハエでも叩き落とすかのように机の上で勢いよく潰した。野崎が若干ショックを受けていたがそれは気にせずとにかく講義を聞く姿勢をとった。
「―――――???」
講師の話を聞き始めてわずか1分。
『ここで、M = [mass], L = [length], T = [time], ... と置いて、物理量 q の次元式は MmLlTt…である。これは一つの物理量に対して一つの次元が与えられ…』
全く分からない(白目)
ただでさえ訳の分からない講義なのに…今日に限って定数?
「うわーうわー…サボるんじゃなかったぁー…」
頭を抱え大きく項垂れるオレを覗き込みニコニコする野崎。
「…?」
「オレのノートで良ければ貸すよ?」
「!!?」
それが例え野崎であろうと言われて嬉しくない奴はいない。
「うおぉ~ありがとう」目を輝かせてノートを受け取りパラッ
ひっ!?読めない;
「おまっ…これ何語??」
「日本語に決まってんじゃん!」
まるで象形文字…
不可能だ。
まず解読しなければ理解はおろか写す事すら…
「き、気持ちだけ貰っておくよ」
「遠慮すんなって」
「ぃゃ、でも文字を解読するのにそもそも時間が…」
「文字?奏、日本語が苦手なのか?」
「日本語っていうか…?」
「まぁ無いよりはマシだろ?気にせず借りとけ借りとけ!今日のファイルのお礼でもあるしさ」
「(いや、でも無いのと差ほど変わらな…)」
と言おうとしたけど…やめた。
ここは大人しく借りて…
「あ」
バシィ!!!ゴンッ☆
野崎の「あ」と同時にどつかれた衝撃でデコを机にぶつけ軽く脳しんとう。
リーンゴーン…リーンゴーン…
「お前はオレ様の授業を何だと思ってるんだ?」
「り、琳堂先生…」
霞む視界に琳堂先生の着ている白衣とそれで叩いたであろうファイルが見えてくる。
さらに顔をあげると目の前にいきなり琳堂の顔。
「うわ!」ガタン!
思いっきり仰け反ったのに動かないイスと机のせいであまり距離がとれない。
琳堂はそれをいいことに顔を寄せる。
「ひぃい!」
「遅刻した罰としてオレ様の実験に付き合ってもらうからな」
「え?」
―――――実験??
考え得る「実験」のイメージを今までの記憶から必死に探してみるがどれも恐ろしく危険なものしか浮かばない。
「な、なぁ実験って…まさか変な薬を混ぜたり薬品が爆発したりするあれか?」
「いや、そんなのじゃない。ちょっとしたテストをしてみるだけだよ」
「そ、そうか…」
「でも場合によっちゃ爆発するかもしれないけどv」
ぇ、何!今バクハツとかっ!!
「ちょっ…その冗談笑えない!」
「笑うな。実験はいつも真剣勝負なんだ!覚悟して取り組めよ」
「……覚悟」
「そういや野崎」
「ん?」
急にオレから野崎に話しを振ったのは琳堂先生。
「お前また記憶が欠落したらしいな」
「あ~うん」
「お前記憶がなくなる直前に何か見たり聴いたりしなかったのか?」
「別に何もないよ?」
「そうか…ならいいけど。もし何か思い出したり気になることが出てきたら教えてくれな」
「うん、分かった」
二人のやり取りを何となく聞きながらオレは何とかキャンセルしようと話しが途切れるのを待ってから琳堂に切り出した。
「あ、あのオレ今日用事あるから実験は…」
「じゃあ放課後、実験室でな」
アッサリ流されたー…。
リーンゴーン…
「よーし!あと2時間頑張って講義すっか~」
琳堂が伸びをしながら鏡台に向かう。
「良かったね!奢りにならなくて☆」
脳天気な野崎の励ましにわずかだか殺意が芽生えた。
ちっとも良くねぇよ…
あの琳堂の事だからロクな実験じゃないに決まってる。
………帰りたい。
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☆プロフィール☆
HN:
梅星 悠(ウメボシ ハルカ)
年齢:
43
性別:
非公開
誕生日:
1981/06/26
職業:
絵を描くこと
趣味:
空を見ること
自己紹介:
ウメボシは旅から3時間で連れ戻されただいま原稿中。
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