忍者ブログ
~ウメボシ珍道中~
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


少し長いです。
文章苦手なんでリハビリがてら気が向いたら書こうかな…ということで。
短編モノのつもりで書いたんだけど続きそうです…(うそだろ;)











「あれ?龍一?」

まだ話しの途中だというのに突然幼なじみの龍一が消えた。
夏…空は鮮やかなほど青い。所々、その青を切り落としたように真っ白な雲が浮かぶ。

「こんな何も無いところで隠れんぼかー?」

長い道、バス停の前、人も車も今は通っていない田舎のど真ん中。
ひっきりなしに鳴くセミの声と田圃から聞こえるカエルの鳴き声が容赦なく暑さを増幅させオレの思考回路をも寸断する。

「冗談はよせよ…龍一~…」

田圃を覗く。近くの小屋を眺める。辺りを見回す。

「お~いそろそろバスが来る時間だぞ~?乗り遅れるぞ~?」


「…………」


なんの返事もない。
それどころか予定時刻になってもバスが来ない。
時間が経つにつれ少しずつ不安が増しはじめる…

「……どうなってるんだ?」








時間だけが経つ。
友達もバスも一向に現れる気配がない…

「どうしよう…歩いて帰ろうかな…」




~♪~♪…



「…ん、音?」

遠くから…ぃゃ、近くから?
あれ?音が…というかメロディが………


「(…近づいてくる…)」


…!!?
急に怖くなったオレは音が来る方とは逆の方向に走った。
ひたすら真っ直ぐで長い田圃沿いの道を無我夢中で。
全力疾走。小学校以来かというぐらい本気で走った。
音は消えるどころか大きくなる一方だ…

次の瞬間目の前に扉がっ…!!!
「ぅえぇえええ!」
バァアアアアアン!!
走っていた勢いで突っ込んだ。
止まれなかったんだ………だって瞬きしたら目の前に扉が…


コン…!
上から小さい何かが落ちてくる。
うっすら目を開けるとオレの足…

「あれ?」

どうやら突っ込んだ勢いでオレは部屋の棚に激突したらしい。
ひとまず逆さまになっている自分の体を起こす。

打った頭を撫でながら視界を上へやる。
思わず目を…疑った。

アンティークな小物から流れる数々の音…

「(これはっ……オルゴール?)」

おびただしい数のオルゴールが部屋の中を埋め尽くす。
これだけ重複しているにも関わらずその音色は単体で聴いても全体で聴いても美しい…





………?



何だこれ?


一つ一つの音がオレの神経を少しずつ奪っていく…


まるで瞬きするたびに記憶が一つずつ消えていくみたいに…




「…あれ…オレ……誰だっけ?」





PR

Comment
Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[329] [330] [328] [324] [323] [322] [321] [320] [319] [318] [317
«  Back :   HOME   : Next  »
カレンダー
03 2024/04 05
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
*梅日記*
(09/13)
(09/09)
(09/05)
(09/03)
(08/31)
トラックバック
☆プロフィール☆
HN:
梅星 悠(ウメボシ ハルカ)
年齢:
42
性別:
非公開
誕生日:
1981/06/26
職業:
絵を描くこと
趣味:
空を見ること
自己紹介:
ウメボシは旅から3時間で連れ戻されただいま原稿中。
ブログ内検索
メールフォーム
梅カウンター
NEXT→25000 リクありましたらメルフォよりどぞ
忍者ブログ [PR]