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~ウメボシ珍道中~
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久しぶりに本編なんぞを。
やっと動き出した感じですv(でもって相変わらず文章下手ですごめ…;;)









―――――― ガチャ

実験室

本の香りとチョークの匂いが染みついた部屋。
壁に添うように並べられた机の上には大量の本が今にも崩れそうな状態で積み上げられ、あれは研究の資料か何かだろうか?図形を象った紙が壁一面に張り重ねられていた。

何より目に付いたのは床に描かれた大きな円…というかこれは魔法陣?

オレはもっと理科室にあるような器具がいっぱい列んでるのかと思ったのに…
これじゃあ実験室というより資料室といったほうが正しい。
先生は一体何の実験をして…
「はい、ようこそ実験室へv」
ドサッ
「ぐえっ」
降ろされたというより落とされたオレは地面に這い蹲るような形でようやく足が着いた
…が、なぜか身動きがとれず
「さぁイイコトしようかv」
「え?ちょっ…先せっ…」
スパァア――――――ン!!
「僕の目の前で奏を襲うとはいい度胸じゃないですか先生」
「冗談に決まってるだろ~本気にするなよv」
丸めた新聞を片手に威嚇する先輩に対しからかうように返す先生
…とりあえず助かった
先輩がいなかったらオレ――――…
オレどうなってたんだろ;;Σ怖っ!
恐怖するオレの傍で警戒を崩さないまま先輩は質問を投げかける
「そもそも実験ってなんの…」
「それは後で説明する。とにかくオレの準備が終わるまでお前らは適当にくつろいでいてくれ。あ、その辺の本は見ていいが傷をつけないようにな!」
後ろ頭を撫でながらそう言って立ち上がると奥で何かを探し始める

「ほんと食えない先生だな。奏も今回は僕が居たから良かったけど…いつも助けが来るとは限らないんだから自分自身を守る術を身につけなよ?」
「あ、うん;」
今までそういう危険に遭遇したことないからな;;
先輩がその場を離れると途端に暇になったオレは取り敢えず辺りを見回し近くにあった分厚い本に手を伸ばし開いてみる
…なんだこれ?文字が全く読めない;;
象形文字?
「野崎の文字と良い勝負だな」
他に何か…
「ん?なんだあの綺麗な本は!」
興味津々に駆け寄りジッと眺める。
背表紙しか見えないけど…
文字に細かいキラキラした石が埋められている
「見てみたいけど…」
コレ引っこ抜いたら崩れ落ちるんだろうな;;
「……やめとこ」

その後ろで里見先輩も資料のような紙を片手にぼそりと呟いた
「時空間の移動?」
「…ん?なになに?」
そこへオレも好奇心からか覗きに入る
「空間の歪みを意図的に作るのか。いや、でもこれでは体内時間に大きな影響が…」
「…歪み?…体内時間???(サッパリ分からねぇ;;)」
「おいおい本はいいけど資料はあまり触るなよ? あとそこ…足下のラインには絶対入るんじゃねぇぞ!」
先生の忠告を聞いてなんとなく下を見る
「っと…」
…スレスレ踏みかけていたラインから足をあげ咄嗟に非難。
しかし、見れば見るほど不思議な文様だ。
「すごい…」
「コラ奏!触るなっ!?」
まるで親に叱られた子供のようにビクッと驚いて一瞬体が制止する
そのあとゆっくりと手を引っ込め大人しくその文様を眺めるに留めた

……あれ??
なんかこの紋どっかで見たような…???

まじまじと文様を眺めるオレの横でトントンと資料を束ねて見終えた里見先輩が振り返る
「琳堂先生まさか…実験って時空間を移動することじゃないですよね?」
「もちろん、そのまさかだけど?」
「…冗談キツイですよ」
「いやオレは本気だ」
片手にチョークを持ち、もう片方には古代書のような本を持って先生は真剣に答えた
「確かにこの原理ならそれも可能かもしれないけど…でもいくら時空間に詳しい先生でもそれは余りにも危険が多すぎる。ましてや奏をその実験に加担させるなんて、この僕が許すと思ってるんですか…?」
「実験ならオレ自身で何度も試みた。もちろん危険はないとは言い切れないがそれでもほぼ確実に成功させることができる…」
「だったら実験の対象を奏から僕に代えてください」
「ぅえ?」
「……!」
思いもよらぬ先輩の言葉に思わず間抜けな声を発してしまった
チョークを滑らせ魔法陣に文字を書き加えていた先生も予想外の発言に驚いたのかその手を止めた
「奏じゃなくても実験はできるはずです」
再度頼み込む先輩
「里見先輩っ…!」
「いいんだ。わざわざこんな危険な実験に奏が加わることはない」
「だからって先輩がしなくてもっ…」
「先生、僕の提案を呑んではくれませんか?」
止まっていた作業を再開した先生は一気に空白の部分へ文字を書き足し答える
「残念だけどその提案は呑めない」
「どうして!」
「この実験は奏じゃないと意味がないからだ…」
「…!?」
「え?…意味??」
「そう意味だ」
パンパンと手についたチョークを払うとオレに視線を向けニッコリと笑った
「一体どういうk…」
ガチャ
里見先輩の声と同時に扉が開き聞き覚えのある声が部屋中に響き渡る
「琳堂先生いますかー??」

野崎;;
すごいタイミングで入ってきやがった…

「扉に“要ノック”と書いてあるのが見えなかったのか?」
「Σえっ!」
慌てて外に出て…

コンコン☆

「遅いわーっ!!」
思わずつっこむ先生
「失礼しマースw」
「で、用はなんだ?」
呆れながら用件を訪ねる
「あ、えっと~なんか奏くんの家が大変らしくてここには来れないと言ってました!それだけです」
「ん?そうなのか奏?」
「あ~…え~っと…」
「あれ!!あれ?奏っ??家は大丈夫なのか!」
「ん、ああ…まぁ…何とか;;」
こんな状況じゃなかったらそれを理由に逃げ出せたのにな…
さすがに今は;;
「…っておおおおっ!!何この格好いい魔法陣はぁっ!!」
オレの後ろに描かれた文様を見るなりもの凄い勢いで駆け寄ってくる野崎
「ちょっ…そんな勢いで走ったらっ…」
「奏っ!」
「野崎っ!そのラインに入るなぁあっ!!」
「…え;;」
もの凄い剣幕で怒鳴った先生の声を聞いて何とか止まろうと野崎がラインスレスレで踏ん張ったものの…あの勢いでは止まれるハズもなく;;
必死に止めに入ったオレと踏ん張っていた野崎は見事にラインの中へと転がり込んだ


――――――フッ


「はぁ~…あのバカ」
呆れながら頭を押さえ大きなため息を一つ
「…まさか本当に」
信じられないといった表情でラインを見つめる忍
そんな忍の姿を見て和貴は諭す
「まずは現実を受け入れろ…話しはそれからだ」
「……」

コンコン☆
「実験中に失礼しまーす。奏にオルゴールの本を渡すのを忘れて…ってあれ?先生、奏は?」
「ああ~奏ならさっき家に~…と、そういや月ヶ瀬は奏の幼なじみだったっけな…」
「…?そうだけど」
「入れ…今から説明する」
「え?ちょ…何??」
「………」
呆然と立ちつくす忍を見て何か嫌な予感を感じながらもみさおは静かに戸を閉めた





全ての歯車が動き出す

止まっていた時が再び廻りはじめる…










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☆プロフィール☆
HN:
梅星 悠(ウメボシ ハルカ)
年齢:
42
性別:
非公開
誕生日:
1981/06/26
職業:
絵を描くこと
趣味:
空を見ること
自己紹介:
ウメボシは旅から3時間で連れ戻されただいま原稿中。
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